GHOST/トロのマネー日記

私はGhostである、名前は花山トロ。ご主人は花山とうしろう、サラリーマン生活の傍ら株式投資に励み、退職後は配当と株主優待で夫婦2人悠々自適に暮らしている。トロは前飼主に捨てられ彷徨っているところをご主人に拾われ、以来優しいご主人に甘えていたが、2021年1月14日、Ghostになったのである。これからは、人生は3つの「きんりょく」、即ち筋力(筋肉)、菌力(腸内細菌)、金力(金融資産)が最重要というポリシーのご主人を見守り、株式投資、株主優待、旅行、ゴルフ、健康などの面白い話、役に立つ話を発信するのである

ヤマダホールディングスから2022年3月期決算短信と自己株式取得が発表されたのである

 5月6日、ヤマダホールディングス(9831)から、2022年3月期決算短信と「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」が発表されたのである。決算短信によれば、売上高1兆6,193億円(前期比7.6%減)、営業利益657億円(同28.6%減)、経常利益741億円(同25.0%減)、純利益505億円(同2.4%減)となり、1株当たり利益60.96円(前期62.82円)、配当18円(前期18円)と減収・減益なのである。2023年3月期業績予想は、売上高1兆6,940億円(前期比4.6%増)、営業利益739億円(同12.5%増)、経常利益800億円(同7.9%増)、純利益519億円(同2.7%増)、1株当たり利益59.48円を見込んでいるのであるが、配当予想は未定となっているのである。

 同日、株主還元の充実を図るため、自己株式の取得(取得し得る株式総数上限:2億株、 株式の取得価額総額上限:1,000億円、取得期間:2022年5月9日から2023年5月8日)が発表されたのである。自己株式の取得上限2億株は発行済株式総数(自己株式を除く)の23.9%に相当し、取得価額の上限1,000億円と金額面でも非常に大きいのが注目すべき点なのである。簡単に言えば1株500円で2億株を取得するということなのである。2023年3月期の業績予想では1株当たり利益59.48円なので、上限まで自己株式の取得が完了すると、理論上1株当たり利益は、59.48円÷(1-0.239)=78.16円と高まり、2021年3月期と2022年3月期の配当性向が29%程度であることを勘案すれば、2023年3月期の配当は、78.16円×29%=22.7円程度へ増配となる可能性も考えられるのである。なお、自己株式の取得を行う理由について、ヤマダホールディングスは、「経営環境の変化に応じた機動的な資本政策遂行、資本効率の向上を通じて株主の皆さまへの利益還元の充実を図るため。」と説明しているのである。この説明はこれでもっともなことかと思うものの、5月8日の株価(終値)は391円、PBRは0.5倍、つまり資産価値の半額で取得できるのでヤマダホールディングスにとってもお得なのである。参考までに、自己株式の取得は、ヤマダホールディングスのようにPBR1倍を割り込んでいる企業にメリットがあるだけでなく、その株主にとっても資産・利益の濃縮化というメリットがあるが、逆にPBR1倍以上の企業の場合、取得自体が割高となる上、株主にとっては資産・利益の希薄化が起こるのでデメリットとなるのである。

 因みに、翌営業日の5月9日の株価(終値)は、471円、前日比80円(+20.46%)とストップ高、全市場中値上り率第1位となったのである。