5月14日13時10分、トリドールHD(3397)から、好調な2024年3月期決算短信が発表されたのである。売上収益2,319億円(前期比23.2%増)、事業利益145億円(同108.1%増)、営業利益116億円(同56.0%増)、純利益56億円(同48.3%増)、1株当たり利益60.70円(前期39.28円)、配当9円(同7.5円)、配当性向14.8%(同18.9%)ROE7.55%(同5.8%)と、大増収・大増益・増配なのである。売上収益と事業利益が過去最高となった要因は、2023年7月に英国Fulham Shore社を子会社化、さらに丸亀製麺、国内その他、海外事業の全セグメントで過去最高を記録したことが挙げられるのである。
2025年3月期通期業績予想は、売上収益2,650億円(前期比14.2%増)、事業利益181億円(同24.5%増)営業利益141億円(同21.1%増)、純利益62億円(同13.8%増)、1株当たり利益69.71円、配当予想10円(配当性向14.3%)を見込んでいるのである。
また、同日、トリドールHDから、配当方針の変更が発表されたのである。
(変更前の方針)グループの成長に必要な投資を行うための内部留保の充実を図りながら、業績に応じて安定した配当を継続していくことを基本方針としております。さらに、配当性向20%以上、または調整後配当性向2%以上のいずれかを目標することとしております。」
(変更後の方針)グループの成長のために必要な投資を行うため内部留保の充実を図りながら、業績に応じて累進配当を実施していくことを基本方針とします。原則として配当性向20%以上を目標としつつ、安定的かつ継続的に配当を実施するため、調整後配当性向2%を下限とし、かつ、特別配当を除き前期以上の配当を行うこととします。
配当方針の変更について、トリドールHDは、「当社グループは、株主の皆様に適正な利益還元を行うことは重要な課題であると考えております。当社成長と株主還元の更なる両立を目指し、累進配当を実施する方針といたしました。配当金額の決定においては、事業活動に直接の関わりのない特殊要因を除いた調整後当期利益を配当原資とし、成長に必要な投資を行うための内部留保の充実を図りながら、通期業績の見通しや、成長のための資金需要を総合的に勘案して決定しております。」と説明しているのである。「原則として配当性向20%以上を目標としつつ」としていながら、2024年3月期は14.8%、2025年3月期14.3%と低く、2024年3月期第4四半期は原因不明の赤字となっている点が引っ掛かるのである。