ご主人は、投資方針として長期保有を基本方針としているが、途中で、業績の悪化、株主優待の廃止・改悪、TOB、そして資金繰りのためなどで、売却したことは多々あるのである。ということで、これからは、通期業績予想の修正、配当予想の修正、株主優待制度の新設・廃止・変更、TOBなど、大きな変化があった銘柄について、今後どうしていくのか個別に考えを整理するのである。
最初は、7月10日に株主優待制度の廃止と増配を発表したサイゼリヤ(7581)なのである。7月10日の発表内容は、実施済みの2023年8月期を最後に株主優待制度の廃止と、2024年8月期の配当予想を18円から25円への増配なのである。
株主優待制度は100株保有で2,000円分の食事券、500株保有で1万円分、1,000株保有で2万円なのである。会社目線では、7円の増配と株主優待制度実施にかかる費用はもしかしたら同じなのかもしれないが、個人投資家目線で見ると、保有株数に応じて比例して食事券が増えるので、1株当たり20円分の価値があるのに対し増配は7円なので、差引きマイナス13円なのである。
今後も保有を続ける場合、ご主人は500株保有なので、2024年8月期の配当は、25円×500株=12,500円が見込まれているのである。8月23日の株価終値は5,030円なので、投資利回りは0.50%と極めて低く、PER37.91倍、PBR2.34倍と、株価の割高感は否めないのである。勿論、次期以降の増収・大増益・大増配を期待して人気が高いので、高い株価が付けられているのかもしれないのである。
これに対して、サイゼリヤ株を売却し、他の銘柄に投資した場合投資効率はどうなるのか。サイゼリヤの購入額は1,710円なので、仮に5,000円で売却した場合、売却益は(5,000円-1,710円)×500株=1,645,000円、売却益に掛かる源泉徴収額は1,645,000円×20.315%=334,181円なので、500株売却した後に残る資金は2,165,819円なのである。2,165,819円を、ご主人が最近注目している高配当であるが高い成長性は期待できない大和工業や淀川製鋼所に投資した場合、8月23日現在5.5%程度の配当利回り、11万円以上の配当が期待できるかもしれないのである。あるいは、増収・増益・増配を続けているFPGに投資した場合、配当利回り4.6%、配当9万円以上、レーサムに投資した場合、配当利回り6.1%、配当12万円以上が期待できるかもしれないのである。
サイゼリヤが今後高成長をしたとしても、配当が短期間で10倍となる可能性は極めて低く、サイゼリヤを継続して保有するよりは、売却資金で他の銘柄への投資が投資効率は良いのである。あとは売却のタイミングとなるが、8月末の権利落ち後に高値となりそうな時期としては、2024年8月期決算短信の好業績を期待した発表前の高値か、2025年8月期通期業績予想(増収・大増益・大増配)発表後の急騰かなのである。