ご主人は、投資方針として長期保有を基本方針としているが、途中で、業績の悪化、株主優待の廃止・改悪、TOB、そして資金繰りのためなどで、売却したことは多々あるのである。ということで、これからは、通期業績予想の修正、配当予想の修正、株主優待制度の新設・廃止・変更、TOBなど、大きな変化があった銘柄について、今後どうしていくのか個別に考えを整理するのである。
第2弾は、2年前に、2024年3月期の実施を最後に株主優待制度の廃止を予告したオリックス(8591)なのである。オリックスの最後の株主優待は、2024年3月末、100株以上保有の株主に、オリックスグループが提供する各種サービスを割引価格で利用できる株主カード(有効期限翌年7月末)、及びふるさと優待(カタログギフト)(保有期間3年以上 Aコース1品、保有期間3年未満 Bコース1品)なのである。Aコースの中には、オリックスバファローズの当日券が購入できる利用券1万円分、Bコースには5千円分があるので、Aコースは1万円程度、Bコースは5千円程度の商品が並んでいると推測されるのである。つまり、100株保有の株主から見れば、1株当たり50円または100円のマイナスのである。
これに対し、2024年3月期通期配当は98.6円、2025年3月期の年間配当方針は、配当性向 39%もしくは1株あたり98.60円のいずれか高い方とされているのである。オリックスは現在配当予想を下限の98.6円としているが、2025年3月期通期業績予想どおりの業績が実現するならば、1株当たり利益339.04円なので、339.04円×39%=132.22円となり、2025年3月期の配当は132.22円が見込まれるのである。つまり、配当は前期比33円以上のプラス予想なのである。因みに、直近の配当の推移は、2019年3月期76円、以降76円、78円、85.6円、85.6円、そして2024年3月期98.6円と着実に増加しているので、オリックスの通期業績予想は、十分可能性は高いのである。
今後も、オリックスを保有し続ける場合、2025年3月期の配当は、1,000株×132.22円=132,200円が見込まれるのである。8月28日の株価終値は3,564円なので、配当利回り3.71%(配当性向39%)、PER10.51倍、PBR1.01倍と、割高感はないのである。
これに対して、オリックスを売却し、他の銘柄に投資した場合投資効率はどうなるのか。オリックスの購入額は1,322円なので、仮に3,550円で売却した場合、売却益は(3,550円-1,710円)×1,000株=1,840,000円、売却益に掛かる源泉徴収額は1,840,000円×20.315%=370,760円なので、1,000株売却した後に残る資金は3,179,240円なのである。これを、ご主人が最近注目している高配当であるが高い成長性は期待できない大和工業や淀川製鋼所に投資した場合、8月28日現在5.5%程度の配当利回り、17万円以上の配当が期待できるかもしれないのである。あるいは、増収・増益・増配を続けているFPGに投資した場合、配当利回り4.6%、配当14万円以上、レーサムに投資した場合、配当利回り6.0%、配当18万円以上が期待できるかもしれないのである。
大和工業または淀川製鋼所に投資した場合、今期4万円程度オリックスの配当を上回るが、近い将来オリックスの増配により逆転が起きることが十分予想されるのである。FPGに投資した場合は、どちらも増配トレンドにあるため、現在も将来も同程度の配当が期待でき、レーサムに投資した場合はオリックスをやや上回る配当が期待できるのである。しかしながら、FPGは4,500株(組入比率5.8%)、レーサムは1,700株(組入比率2.9%)を保有していることを勘案すれば、オリックスを売却してさらにFPG、レーサムに集中投資することは、リスク管理の点から少々疑問が残るのである。ということで、オリックス1,000株(組入比率1.9%)は当面保有、様子見という結論なのである。