ご主人は、投資方針として長期保有を基本方針としているが、途中で、業績の悪化、株主優待の廃止・改悪、TOB、そして資金繰りのためなどで、売却したことは多々あるのである。ということで、これからは、通期業績予想の修正、配当予想の修正、株主優待制度の新設・廃止・変更、TOBなど、大きな変化があった銘柄について、今後どうしていくのか個別に考えを整理するのである。
第8弾は、最近購入したビジョン(9416)なのである。ビジョンは、主力のグローバルWiFi事業(Wi-Fiルーターレンタル)、情報通信サービス事業(OA機器と移動体通信機器の販売)のほか、グランピングの運営を行っているのである。購入のきっかけは、11月13日に公表された「株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」なのである。ビジョンの株主優待は、従来、12月・6月末、保有株数に応じて、Wi-Fiルーターレンタルサービス「グローバルWiFi」および「VISION GLAMPING Resort & Spa」の宿泊に関する利用券なのである。「株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」により、300株以上保有者には、QUOカード15,000円分が追加でもらえるようになったことから、ビジョンについて詳しく調べたのである。
11月13日に発表された2024年12月期第3四半期決算短信によれば、売上高26,111百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益4,317百万円(同16.1%)、経常利益4,373百万円(同16.2%増)、純利益2,869百万円(同14.1%増)、1株当たり利益59.33円(前年同期51.36円)と、増収・増益なのである。2024年12月期通期業績予想は、売上高36,145百万円(前期比13.6%増)、営業利益5,707百万円(同33.3%増)、経常利益5,738百万円(同32.3%増)、純利益3,797百万円(同25.5%増)、1株当たり利益78.51円と増収・増益を予想しており、配当予想は今期が初配で27円(期末14円)、配当性向34.4%が見込まれているのである。なお、12月18日に発売された会社四季報では、2025年12月期は、売上高410億円、営業利益67億円、経常利益67億円、純利益44.5億円、1株当たり利益91.9円を予想しているのである。株価指標は、12月19日の株価終値1,314円に基づく株価指標は、時価総額659億円、PER16.74倍、PBR3.80倍、配当利回り2.05%、財務指標は、自己資本比率70.3%(9月末)、現金等105億円(9月末)、有利子負債6。5億円(9月末)、ROE22.91%(2023年12月期)となっているのである。
ビジョンは、小型株ではあるが、年々増収・増益の高い成長、高い資本効率、安定した財務基盤など見るべきものがあり、株価は少々割高感があるが、高い成長と株主優待が支えているともいえるのである。優待利回りは、最も投資効率の良い300株で、(9,000円×2回+15,000円×2回)÷300株×1,314円=12.18%と高く、QUOカードのみで計算しても7.61%とお得感があるのである。もちろん、QUOカードは事業とは直接関係がないので、将来的には廃止のリスクは十分あるものの、当面は株主数の増加、流通株式の増加、株価上昇などを優先するため維持されると推測されるが、時価総額が大きくなれば、株主優待は自社サービスの利用券のみ(QUOカードの廃止)とし、代わりに配当の増額がありうるのである。
なお、円安、海外のインフレ、実質賃金の低下などによる日本人海外旅行者数の減少、営業利益率が高いことから競合他社の参入など、グローバルWiFi事業が低成長となる可能性もあるが、訪日外国人への貸し出しに注力する、同業他社の買収などで乗り切ることは十分可能なのである。