1月31日13時、電炉鉄鋼メーカー大手の大和工業(5444)から、2025年3月期第3四半期決算短信が発表されたのである。売上高1,262億円(前年同期比3.3%増)、営業利益92億円(同27.3%減)、経常利益380億円(同48.1%減)、純利益193億円(同62.6%減)、1株当たり利益304.71円(前期814.13円)と、増収・大減益なのである。大減益要因は、国内の建設業界の人手不足による工期遅れや建設コストの高止まりなどを背景に形鋼需要は停滞が続いており、また、中国などの安価な鋼材輸入が増えつつあり、H形鋼を含めた鋼材市況軟化していることが挙げられるのである。さらに一番大きいのが、中東事業からの撤退に伴い投資損失が計上されたためなのである。
中東事業の撤退に伴い、同日、2025年3月期通期業績予想の下方修正が発表されたのである。売上高1,700億円⇒1,690億円(前期比3.4%増)、営業利益110億円⇒据置(同36.4%減)、経常利益750億円⇒520億円(同47.6%減)、純利益525億円⇒280億円(同60%減)、1株当たり利益824.02円⇒443.51円(前期1,099.11円)と修正されているが、配当予想については、創業80周年記念配当100円を含む400円には変更はなく、配当性向は90.2%と大きく上昇したのである。下方修正理由について、大和工業は「当第3四半期連結会計期間において、中東事業の当社持分法適用関連会社に関して、追加で減損処理を含めた持分法による投資損失約260億円を計上しております。」と説明しているのである。
計上した260億円の投資損失は、今期の利益で賄えなおかつ当初配当予想どおり400円の配当も賄えるレベルであり、大和工業の純資産5,557億円に比べれば5%程度と小さく、自己資本比率85.9%⇒83.0%と2.9%低下しただけと、財務基盤は盤石なのなのである。さらに言えば、投資損失260億円を計上したため、経常利益は230億円下方修正しているが、次期はこの260億円の損失がなくなるということは、他の事業が今期並みであれば、次期の経常利益と純利益は修正前のレベルが見込まれるということなのである。
因みに、大和工業の株価は、前日の終値7,431円前後で推移していたところ、13時の発表直後は7,285円と急落したが、次期への影響がないと評価されたのか、すぐに反発し一時前日比318円高(+4.28%)の7,749円と上昇、終値は7,700円なのである。