4月7日12時、淀川製鋼所から「株式分割および株式分割に伴う定款の一部変更に関するお知らせ」が発表されたのである。株式分割は、6月30日(月)を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主の所有する普通株式を1株につき5株の割合もって分割するのである。株式分割の目的について、淀川製鋼所は、「株式分割を行い、当社株式の投資単位を引き下げることにより、投資家の皆様にとってより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層のさらなる拡大を図ることを目的としています。」と説明しているのである。
淀川製鋼所の自己資本比率は約72%と高いが、2024年3月のROE2.4%、ROA1.7%と低く(2025年3月予想はROE6.8%、ROA4.9%)、過剰な資本が積みあがった状態で、その結果として株価はPBR1倍割れが常態化しているのである。資本効率の観点からは、不採算事業からの撤退、過剰資本の株主還元(配当、自社株買い・消却)、他社買収や新規事業への投資などを実施すべきなのであるが、実態はなかなか進展していないのである。そこに目を付けたアクティビストであるストラテジックキャピタルから株主提案を受けている現状からすれば、個人投資家を増やし、その提案を拒否しやすくする裏の目的も隠されているとも思われるのである。
なお、株主優待について、淀川製鋼所は「2025年3月31日時点の株主様については、株式分割前の株数を基準とし、公表済みの株主優待制度を適用いたします。なお、2026年3月31日時点の株主様を対象とした株主優待制度につきましては、決定次第開示をさせていただく予定です。」と説明しているのである。ということで、新しい株主優待制度が従来の基準を踏襲するなら同時に発表するはずであるが、後日発表ということは、株式分割の目的が「投資家の皆様にとってより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層のさらなる拡大を図ること」であることも踏まえれば、新しい株主優待の基準は従来よりも下げて、例えば、200株、500株、1,000株のような制度が予想されるのである。
因みに、淀川製鋼所の株価は、株式分割の発表後の後場、5,030円~5,130円の水準で推移しており、前場の終値と同水準ということで、トランプ関税ショックの影響が株式分割の評価を打ち消してしまったようなのである。