1月29日13時、トーメンデバイス(2737)から、好調な2026年3月期第3四半期決算短信が発表されたのである。売上高3,943億47百万円(前年同期比28.2%増)、営業利益は134億円(同53.6%増)、経常利益104億5百万円(同63.4%増)、純利益73億42百万円(同54.4%増)、1株当たり利益1,079.69円(前年同期699.12円)と、大増収・大増益なのである。好業績の要因は、主にサーバー・ストレージおよび車載向けメモリー半導体の売上が増加したこと、中国スマートフォン向け高精細カメラ用CIS(CMOSイメージセンサー)並びに国内SiP(システム・イン・パッケージ)ビジネスの売上が増加したこと、さらにメモリー半導体の価格高騰を受け収益性の向上に努めたことが挙げられるのである。
このような好業績を受け、同日、「業績予想および配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」が発表されたのである。2026年3月期通期業績予想は、売上高4,700億円⇒5,300億円(前期比25.7%増)、営業利益115億円⇒155億円(同52.4%増)、経常利益90億円⇒113億円(同53.2%増)、純利益64億円⇒80億円(同43.2%増)、1株当たり利益941.05円⇒1,176.31円(821.69円)といずれも上方修正されたのである。修正理由について、トーメンデバイスは、「当連結会計期間においては、生成AI関連製品の需要拡大を背景にメモリー価格が引き続き上昇しており、当社業績の押し上げ要因となりました。 一方で、市場の逼迫に伴い、調達環境には引き続き不確実性が残っております。このため、通期業績見通しにつきましては、こうした状況を織り込み策定しております。」と説明しているのである。つまり、今後、メモリー半導体の調達が円滑にいかないことを予想して、控えめな上方修正をしたということなのである。これは通期業績予想に対する進捗率を見ると、売上高74.4%に対し、営業利益86.45%、経常利益92.08%、純利益91.76%と利益面は高いことから、第4四半期のメモリー半導体の仕入れ価格が高騰し利益を圧迫する(価格転嫁が困難になる)可能性を織り込んでいるのである。
また、通期業績予想が上方修正されたのに伴い、配当予想も300円⇒430円(前期300円)と上方修正されたのである。修正理由について、トーメンデバイスは、「当社は、株主の皆さまへの利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置付けており、連結業績に応じた業績連動型の配当を実施しつつ、安定的な配当の継続を目指しております。また、配当性向の引き上げを図りつつ、経済環境への変化や資金需要を勘案し、柔軟に対処する方針としております。 当期の配当金予想につきましては、上記の方針及び今回の連結業績予想を総合的に検討した結果、配当金を130円増配の430 円(連結配当性向36.6%)へと修正させていただきます。」と説明しているのである。
この日のトーメンデバイスの株価は15,000円前後で推移していたが、13時の発表直後株価は急落、一時前日比2,970円安(-20.89%)の11,100円と2か月ぶりの安値、終値は11,240円、値下り率は-19.89%で東証プライム1位となったのである。メモリー半導体の高騰で好業績を期待して買われたが、材料出尽くしなのかもしれないのである。