サンマルクカフェのアプリに、10月9日から11月7日まで実施する「For Youチョコクロキャンペーン」のお知らせがあったのである。キャンペーンの概要は、700円以上の購入者全員にチョコクロ引換券が貰えるうえ、その引換券にスクラッチくじがついており、1万人に1,000円の商品券が当たるのである。
サンマルクカフェ(サンマルクカフェ+R)の最も高価なメニュー(ドリンクを除く)であるデニブランは500円なので、デニブランと一番安いドリンクであるコーヒーS230円(300円)で700円はクリアするのであるが、それよりも少し安いメニューでは700円に届かないので、デニブランやより高いドリンクを購入させる仕掛けが感じられるのである。また、サンマルクカフェのバリューランチセットは、コーヒーSでは590円~640円で700円に届かないので、ドリンクのサイズアップやラテなどの高いドリンクと組み合わせる必要があるのである。サンマルクカフェ+Rのランチセット(+Rサンドセット)は、コーヒーSの場合590円で700円に届かないので、ドリンクのサイズアップまたはラテなどの高いドリンクと組み合わせるか、チョコクロ1個追加(150円)する必要があるのである。つまり、「For Youチョコクロキャンペーン」は、客単価アップ狙いが見え隠れするのである。ということで、客単価アップの撒き餌がチョコクロとスクラッチくじなのであるが、スクラッチくじの当選確率は1店舗1日当たり0.89人(10,000人÷374店舗(2021年3月末現在)÷30日間)と高くないのである。
サンマルクカフェだけの販売データが公表されていないので正確かどうか分からないが、ご主人は、ランチ以外の時間帯も含め、現状の客単価が550円~650円程度の客が圧倒的に多いので、このキャンペーンで客単価700円超を狙っているのではないかと推測しているのである。新型コロナの影響を排除するため2020年3月期決算短信を確認すると、喫茶事業(サンマルクカフェ405店舗、倉式珈琲店65店舗)の売上高311億25百万円なのである。単純平均1店舗当たり1日平均181,433円(31,125百万円÷470店舗÷365日)となるので、1日当たりの来店客数が300人程度と仮定すれば、1人当たりの購入額550円~650円程度はあながち的外れではないと思われるのである。
最後に、チョコクロとスクラッチくじが付いて一見お得なキャンペーンなのであるが、ご主人はあまり嬉しそうではないのである。というのもご主人のように株主優待カードを使う場合は、株主優待カードで20%引き後の支払額が700円以上となる875円(700円÷0.8)以上の商品を購入しなければならないので、1人で875円以上食べるのはなかなか難しいのである。