1月4日、ザイ・オンラインに公開された「連続増配株ランキング」ベスト20![2023年最新版](https://diamond.jp/zai/articles/-/229803)についての検証なのである。この特集を取り上げている理由について、ザイ・オンライン編集部は『つまり、長期間にわたって「増配を続けている」企業は、それだけ長期的に業績を伸ばしていたり、一時的に業績が落ちても配当を出せるようにしっかりと利益を蓄積できていたりする「優良企業」と判断することができるのだ。しかも、「配当が増える」だけでなく、それに伴って「株価も上がる」傾向があるので、「増配株」は実に魅力的な投資先なのだ。』と説明しているのである。
ということで、第15位は、ご主人が保有していないけれど長年増収・増益を続けている、18期連続増配のニトリホールディングスなのである。ニトリホールディングスについて、ザイ・オンライン編集部は、「国内インテリア業界トップの売上を誇り、中国や台湾、アメリカにも店舗を展開している。2005年2月期に増配を開始して以来、18年連続で増配を続けており、年間配当額は45.1倍に成長した。直近3年での増配率は1.44倍で、年平均13.0%の増配をしている計算になる。2023年3月期の年間配当額は前期比「7円」の増配となる「147円」の予想で、「19年連続増配」を達成する見込みだ。」と、コメントしているのである。
ニトリの2018年2月期のEPSは574.5円、その後608.1円、635.4円、817.0円、856.7円そして決算期が2月から3月に変更となる2023年3月期は予想EPS860.1円と増加が続いており、配当予想147円、配当性向17.1%とまだまだ余裕なので、19期連続増配が見込まれているのである。しかしながら、増益トレンドは減速傾向が伺え、連続増益がこれまでの2月決算では難しく決算期を変更し13ヶ月決算にすることで実現させようとしているふうに見えてしまうのである。
ニトリホールディングスの株価は、上場以来右肩上がりを続けてきたが、2018年以降上げ下げが大きくなって来たのである。2020年8月4日に上場来最高値23,455円をつけたが、1月6日は16,915円と28.9%も下落しているのは、海外で良質で安い家具を製造し、日本で売るというビジネスモデルが、米中対立、コストプッシュインフレ、円安などにより、曲がり角にきているとマーケットは判断しているかもしれないのである。そして、ニトリホールディングスは、生産地の多様化、海外での販売強化に舵を切っているものの、マーケットはまだ評価していないのかもしれないのである。1月6日現在の株価は16,915円、予想PER19.67倍、PBR2.43倍、予想配当利回り0.87%と、少々過大評価の印象があるのは、ニトリホールディングスが再度高成長を実現すると期待する人が多いのかもしれない。
配当性向が低いことから今後も連続増配を続けることは楽勝かもしれないが、ビジネスモデルの変革が成功し、再び成長軌道を描かなければ、連続増収・増益が実現できず、株価は横這い・下落となるかもしれないのである。
ということで、企業は同じ分野、同じ商品で無限に成長できるわけではなく、ビジネスモデルを変えたり、新たな分野を開拓したりと変化し続けなければ行き詰まる可能性があるのである。長期にわたり連続増配しているということは、ビジネスモデルが古くなり、伸び悩む可能性もあるので、多面的な指標から投資できるのか否かを判断するのである。それよりも5期~10期連続増配株の中から、今後も成長が望め、株価が割高でない銘柄を探すほうが、お宝に巡り会えるかもしれないのである。ご主人のポートフォリオの中で、連続増配の若手有望株とも言えるのは、バリューHR(9期連続、実績ベース、以下同じ)、トーメンデバイス(7期連続)、GSIクレオス(6期連続)、稲畑産業(4期連続)、しかもいずれも株主優待を実施しているのである。