12月16日、前澤化成工業(7925)と前澤工業(6489)から、2026年6月1日に共同株式移転により経営統合することで合意したと発表があったのである。共同持ち株会社の前澤ホールディングスを新たに設立し、共同持ち株会社の株式を前沢工業株1株に対し1株、前澤化成工業株1株に対し1.11株割り当てるのである。この経営統合の背景・目的について、両社は、「更なる事業成長及び企業価値の向上のためには、経営統合により「水」という社会の重要インフラを支える、より強固な事業基盤を確立する必要があるとの共通認識を持つに至り、両社は、共同持株会社を設立し経営統合を行うことについて合意をいたしました。」と説明しているのである。
さらに経営統合の効果について、上下水道施設の老朽化への更新需要の取り込み、案件形成による競争力強化、バイオガスプラントや産業排水処理システム等、各々の得意分野を組み合わせることによって新たな収益機会の創出、汚水処理の分野において、下水道、農業集落排水、浄化槽といった両社のソリューションを融合することでワンストップの提案が可能となり競争優位性を確立できることなどを挙げているのである。そして、経営統合に向けての決意を、「「持続的成長と企業価値の更なる向上を実現し、「水のマエザワ」として総合水ソリューション企業グループを目指してまいります。」としているのである。
今後の予定は、2026年3月31日に両社で開催される臨時株主総会(12月31日現在の株主)において、経営統合(株式移転計画)の承認が条件となるが、2026年6月1日、持株会社設立・経営統合実施となるのである。前澤工業の5月期決算に合わせての統合のようであるが、決算期は3月31日のため、初年度は10か月の変則決算となり、また、前澤化成工業は、2026年4月~5月の変則決算が生じるのである。
やはり気になるのは、前澤化成工業の株主優待が維持されるのか、変更されるのか、あるいは廃止されるのか・・・前澤化成工業の株主優待は、次のとおり6月・12月末、保有株式数に応じた前澤化成工業プレミアム優待倶楽部で利用できる優待ポイントなのである。前澤工業は株主優待を実施していないことから、廃止の可能性も十分あるのである。
