4月27日13時、トーメンデバイス(2737)から、2023年3月期決算短信が発表されたのである。売上高4,176億円(前期比9.8%減)、営業利益122億円(同15.1%増)、経常利益65億円(同22.3%減)、純利益46億円(同23.1%減)、1株当たり利益721.37円(前期938.04円)と減収・減益となり、配当300円は前期と同額なので連続増配記録は7期連続で途絶えてしまったのである。減収・減益の要因について、トーメンデバイスは、「PC向けDRAM、スマートフォン向け高精細カメラ用CIS(CMOSイメージセンサー)および有機EL、テレビ・モニター向け液晶パネル等の売上が減少」と説明しているのである。
なお、第3四半期決算短信では、売上高3,322億円、営業利益107億円、経常利益58億円、純利益43億円なので、第4四半期の低調振りが顕著なのである。やはり、報道されているとおりユーザーの半導体在庫が積み上がり、第4四半期に半導体の価格下落・売上げ不振が強く影響しているのである。
2024年3月期通期業績予想について、売上高3,700億円(前期比11.4%減)、営業利益70億円(同42.8%減)、経常利益55億円(同16.5%減)、純利益40億円(同18.5%減)、1株当たり利益588.15円と2期連続減収・減益を予想しており、配当予想240円(配当性向40.8%)が見込まれているのである。このような減収・減益・減配の予想について、トーメンデバイスは、「販売数量増加も価格下落の影響およびスマーフォン等のコンシューマ市場の低迷は継続し、車載向け半導体製品を除き、全ての品目にて減収減益の厳しい環境となる見込み。」と説明しているのである。特に、上半期は半導体市況が低調という予想なので、下半期に期待するところなのである。
因みに、トーメンデバイスの株価は、13時の発表後大きく下落、13時45分にはこの日の最安値5,750円を記録し、終値は前日比580円安(-9.12%)の5,780円なのである。バリュー株としてみれば、2024年3月期の純利益予想は前期比18.5%減、また、2024年3月期配当予想240円なので前期比20%の減配であるが、株価は前日比580円安(-9.12%)なので、まだ下がり切らないと見るのか、半導体市況の復調を期待しているのか、はたまた、100株で2,000円の株主優待(QUOカード)のプレミアムと見るのか・・・やはり下がりきらないと見たようなのである。