4月26日13時、トーメンデバイス(2737)から、絶好調な2022年3月期決算短信が発表されたのである。売上高4,628億円(前期比53.1%増)、営業利益106億円(同112.7%増)、経常利益84億円(同85.9%増)、純利益63億79百万円(同85.1%増)、1株当たり利益938.04円(前期506.68円)、配当300円(前期170円)と、売上・利益とも過去最高を更新し、7期連続増配が確定したのである。因みに、2021年4月28日に発表された2022年3月期業績予想では配当予想170円、10月28日に1回目の業績予想の上方修正と増配予想(240円)が発表され、1月27日に2回目の業績予想の上方修正と増配予想(280円)が発表され、さらに今回業績の上振れと増配(300円)と、好調が続いた1年だったのである。
この好調な業績について、トーメンデバイスは、「TVおよびモニター向け液晶パネルの販売が減少したものの、データセンターストレージ向けを中心にDRAM、NAND FLASH製品の売上が拡大したこと、国内市場においてSiPビジネスの売上が拡大したこと、海外市場においては、引き続きスマートフォン向け高精細カメラ用CIS(CMOSイメージセンサー)およびMCPの売上が伸びたこと、そして、上半期のメモリー価格上昇と下半期の円安基調もあり」と説明しているのである。そして、直近の配当予想280円から20円増配の300円(連結配当性向32.0%)への増配について、トーメンデバイスは、「2022年1月27日に公表した業績予想を上回る売上高および利益となりました。当社の配当方針は、連結業績に応じた業績連動型の配当であり、安定的な配当の継続を目指し、配当性向の引き上げを図っていくこと、並びに経済環境の変化や資金需要等を勘案して柔軟に対処することから」と説明しているのである。
2023年3月期業績予想について、売上高4,400億円(前期比4.9%減)、営業利益77億円(同27.6%減)、経常利益70億円(同17.4%減)、純利益55億円(同13.8%減)、1株当たり利益808.69円と、減収・減益を予想しているものの、配当予想300円(配当性向37.1%)が見込まれているのである。このような減収・減益の予想について、トーメンデバイスは、「2023年3月期通期連結業績予想についての環境は、エレクトロニクス業界においては、自動車向け半導体需要、5Gインフラ、及び、データセンター向け投資の高まりなど、当社の取り扱う最先端、高品質、高性能で安全性の高い半導体製品の需要が引き続き高いレベルで見込まれるものの、PCを始めとする巣ごもり需要の一服感、ウクライナ情勢、中国でのロックダウンなどによる消費冷え込み、原材料・エネルギー・ロジスティックコストの高騰、サプライチェーンの混乱、そして半導体不足による生産制限の継続など不透明感は強まっています。」と説明しているのである。
なお、トーメンデバイスの株価終値は前日比120円高の5,940円、発表の13時にこの日の最高値6,160円と最安値5,800円を記録するという珍しいケースではあったが、絶好調な決算の割には反応が薄いのは、好決算を織込みずみなのか、2023年3月期の減収・減益予想が影響しているのかもしれない。しかし、バリュー株としてみれば、2023年3月期配当予想300円なので、4月26日の終値5,940円で計算すれば、300円÷5,940円=5.05%と高い配当利回りなのである。しかも、100株で2,000円の株主優待(QUOカード)が貰えるので、株主優待を含めた利回りは5.39%となるのである。因みに、ご主人は、3,920円で購入しているので、投資利回りは300円÷3,920円=7.65%と優秀なのである。