ご主人は、投資方針として長期保有を基本方針としているが、途中で、業績の悪化、株主優待の廃止・改悪、TOB、そして資金繰りのためなどで、売却したことは多々あるのである。ということで、これからは、通期業績予想の修正、配当予想の修正、株主優待制度の新設・廃止・変更、TOBなど、大きな変化があった銘柄について、今後どうしていくのか個別に考えを整理するのである。
第5弾は、2022年5月・11月、2023年10月、そして2024年6月と、2年あまりの間に4回の値上げをした王将フードサービス(9936)なのである。過去3回の値上げ後には客離れは起きていないが、6月21日に主力商品の値上げを行った後の影響が気になるところなのである。
9月3日に発表された2024年8月月次売上高(速報版)によると、値上げ直後の7月は、前年同月比の客数は既存店舗で97.6%、全店舗で99%と、ともに僅かであるが減少し、値上げの影響が少し出たものの、売上高は客単価の上昇により前年同月比増加したのである。さらに、8月は台風による一部店舗の休業があったものの、全店舗の客数が前年同月比105.1%、既存店では103.3%と増加に転じ、値上げによる客単価と相まって、単月として創業以来の最高売上を更新し、FC(出荷)売上高を含む全社売上高は、31ヶ月連続で同月比過去最高を更新するなど、好業績を維持しているのである。
好業績が続いている理由について、王将フードサービスは、「餃子の王将をもっとおいしくchallenge2024」を掲げ、主要商品のレシピ改良に取り組むなどQSCの向上に一層努めたこと、各種キャンペーンの効果的な実施など、継続して取り組んできたことの成果であると考えております。さらに自社開発のテイクアウトネット予約サービスを直営全店に導入したことも、店外売上増加に寄与しました。」と説明しているのである。6月21日の値上げについて、5月31日に、ご主人は「2024年の賃上げは過去になく高い水準ではあるものの、まだまだインフレ率に及ばず実質賃金が目減りしている状態が続いており、今回も、消費者、ロイヤルカスタマーに受け入れられるのか否か、気になるところである。」と心配していたが、杞憂に終わりそうなのである。ということで、当面は安心して保有し続けられるのである。