1月10日、サイゼリヤ(7581)から、好調な2024年8月期第1四半期決算短信が発表されたのである。売上高526億46百万円(前年同期比22.1%増)、営業利益34億59百万円(同103.8%増)、経常利益37億60百万円(同114.5%増)、純利益27億1百万円(同103.2%増)、1株当たり利益55.19円(前年同期27.20円)と、増収・大増益なのである。特に利益面は目覚ましいく、通期業績予想に対する進捗率は、営業利益26.4%、経常利益29.4%、純利益32.9%と高いのである。好業績の要因は、国内事業の営業利益が僅か25百万円(前年同期4億43百万円の営業損失)に対し、アジア事業の営業利益32億63百万円(前年同期比56.3%増)が大きく貢献しているのである。2024年8月期通期業績績予想は、売上高2,110億円(前期比15.1%増)、営業利益131億円(同81.4%増)、経常利益128億円(同61.0%増)、純利益82億円(同59.1%増)、1株当たり利益168.02円、配当予想18円(配当性向10.7%)には変更はないのである。
翌11日の株価は、好業績にもかかわらず通期業績予想の上方修正が無かったためか、前日比410円安(-7.23%)の5,260円と大きく下落したのである。この下落は、事前にサイゼリヤの好決算を織り込んで、大納会(2023年12月29日)の終値5,030円から1月10日の終値5,670円と12.7%も上昇したところに、決算短信で材料が出尽くした反動落かもしれないのである。1月11日の株価ベースで見ても、PER31.40倍、PBR2.53倍、予想配当利回り0.34%と割高感は否めないので、一寸したことで下落することは十分あり得るのである。
サイゼリヤの課題は、アジア事業、豪州事業はいずれも好決算であるのに対し、値上げをしない国内事業がコスト増の影響で利益が上げられない点が挙げられるのである。