7月16日、NTT都市開発リート投資法人(証券コード8956)から、2021年4月期の分配金が入金したのである。NTT都市開発リート投資法人は、4月末、10月末が決算期で、オフィスに2/3とレジデンスに1/3投資するいわゆる複合型のリートで、地域別では95%超が東京及びその周辺都市の物件なのである。そしてそのメインスポンサーは名称からも分かるとおりNTT都市開発ということもあり、NTTグループ企業のテナント比率がオフィスビル全体(面積)の約3割を占めているのである。
分配金は2016年4,993円、2017年5,057円、2018年5,383円、2019年5,768円、2020年5,795円と着実に増加し、2021年の分配金は物件売却益19億円が貢献し7,154円(実績4,024円+予想3,130円)の見込みなのである。このように分配金が着実に増加し、稼働率も横ばい(年度替わりの4月末には少々下がった)で推移し、コロナ禍の影響をあまり受けていないのは、オフィスの大口テナントがNTTグループ企業であること、レジデンスが1/3を占めていることが挙げられるのである。
この半年間で特筆すべきことは、7月21日の終値は158,600円、2020年大納会の終値127,500円から31,100円(24.4%)と他のリート同様大きく上昇したことなのである。次の2期(2021年10月期、2022年4月期)の予想分配金は5,840円なので7月21に現在の予想分配金利回りは3.68%とかなり低下したのである。この背景には金融緩和で資金がだぶついている地銀が、利回りが比較的高いリートを購入しているのが挙げられるのである。
もう一つは、組織再編(投資法人の商号変更と運用会社の変更)なのである。4月1日、投資法人の商号がプレミア投資法人から現在のNTT都市開発リート投資法人に変更されたのである。また、プレミア投資法人の資産運用会社であるプレミア・リート・アドバイザーズ株式会社が、非上場私募 REIT である NTT 都市開発・プライベート投資法人の資産運用会社であるNTT 都市開発投資顧問株式会社と合併し、後者が承継会社となったのである。この2つの資産運用会社はいずれも、NTT都市開発の子会社で、リートの運用会社を統合することによる効率的な運用をめざすことになったのである。