3月13日、すかいらーくホールディングス(3197)から、2022年12月期の株主優待が届いたのである。すかいらーくホールディングスの株主優待は、12月末、6月末、保有株式数に応じて、ガスト、ジョナサン、バーミヤン、グラッチェガーデンズ、むさしの森珈琲などで使える株主優待カード(有効期限1年)なのである。株主優待制度、株主優待カードの利用方法、利用可能店舗等の詳細は、「株主様ご優待カード」のご案内のとおりなのである。
2月14日に発表された2022年12月期決算短信によれば、売上収益3,037億円(前期比14.8増)、営業損失55億円(前期営業利益182億円)、税引前損失82億円(前期税引前利益87億円)、純損失63億円(前期純利益95億円)、1株当たり利益-28.00円(前期40.77円)、配当無配(前期12円)と大苦戦なのである。売上収益は前期比14.8%と大きく増加したが、コロナ禍前の2019年比では、第1四半期71.0%、第2四半期80.3%、第3四半期82.4%、第4四半期92.4%と、徐々に回復しつつあるものの、まだ遠く及ばないのである。すかいらーくホールディングスの各ブランドは、メニュー改定、期間限定メニュー、プロモーション等、売上増加に努め、不採算店の閉鎖、配送の効率化、配膳ロボ・セルフレジの導入など経費節減に努力しているものの、大苦戦しているのは、2月18日に取り上げた日経新聞の記事「あらゆる分野に広がる物価高だから、財布のひもは緩められない。それでもコロナの感染者確認から3年が過ぎ、外出を伴う体験型消費も楽しみたい。そうした複雑な心理を抱く消費者に価格以上の価値を見いだして貰えるかどうかが、これまで以上に重要になる。」という背景があるものと推測されるのである。店舗数の多いガストが個性を発揮し価値あるファミレスとして復活するか、特色ある業態に転換しない限りは、あまり期待できないのかもしれないのである。
2023年12月期通期業績予想は、売上収益3,550億円(前期比16.9%増)、営業利益60億円、税引前利益は35億円、純利益10億円、1株当たり利益4.40円、配当予想3円を見込んでいるのである。決算短信の中で、「コロナ禍で顕著になった、外食の際のより厳しい商品や店舗の選定、家では体験できないモノ・コト・空間への需要、テイクアウトや宅配など外食以外の選択肢の利活用は定着してきています。」と認識しているものの、これに対する十分な対応策が採られているのかよく分からないのである。