8月14日13時10分、トリドールホールディングス(3397)から、2023年3月期第1四半期決算短信が発表されたのである。売上収益526億64百万円(前年同期比20.2%増)、事業利益39億05百万円(同37.2%増)といずれも第1四半期としては過去最高となり、本業の儲けを示す事業利益が前年同期比37.2%増と好調なのである。営業利益39億17百万円(同16.5%減)、純利益26億47百万円(同26.9%減)、1株当たり利益29.07円(前年同期40.34円)と減益なのは、新型コロナウイルス感染症に係る時短協力金等の剥落によるもののである。
2024年3月期通期業績予想は、売上収益2,120億円(前期比12.6%増)、事業利益96億円(同38.2%増)営業利益66億円(同10.9%減)、純利益35億円(同21.4%減)、1株当たり利益25.47円、配当予想7.5円(配当性向29.4%)を見込んでいるのである。通期業績予想に対して、第1四半期の進捗率は、売上収益24.8%、事業利益40.7%、営業利益59.3%、純利益75.6%と、利益面は高い進捗率となったのである。さらに年7月11日に子会社化した英国Fulham Shore Plcの業績については第2四半期連結会計期間から連結する見通しなので、通期での上振れが十分予想されるが、通期業績予想の修正はなかったのである。この点について、トリドールホールディングスは、「上期の連結業績予想に対して、当第1四半期連結累計期間の営業利益、当期利益は上振れて推移しておりますが、現段階でFulham社の業績予想を織り込むことが困難なため、第2四半期の決算発表時に影響を織り込んだ連結業績予想を公表する予定です。」と説明しており、第2四半期での上方修正の可能性についても言及している。
因みに、トリドールホールディングスの株価は、6月28日に8ヶ月ぶりに上場来最高値更新した後も徐々に上昇し、7月、8月は連日のように上場来最高値更新したのである。そして、マーケットは上方修正の可能性が高いと評価したのか、13時10分の決算短信発表の直後から急上昇し、14時24分には前日比375円高(+10.3%)の4,030円と上場来最高値更新し、終値は前日比345円高(+9.44%)の4,000円、さらに翌15日には4,070円と再度上場来最高値更新したが、高い成長性は期待できるものの、PER130倍超えは少々特異な数値なのである。