5月10日、ホンダ向け自動車用シートを製造しているTSテック(7313)から、好調な2024年3月期決算短信が発表されたのである。売上収益4,417億13百万円(前期比7.9%増)、営業利益175億7百万円(同14.7%増)、純利益102億14百万円(同91.2%増)、1株当たり利益80.09円(前期41.35円)、配当73円(前期63円)、配当性向91.1%(152.4%)、ROE3.26%(同1.8%)と増収・増益・増配となったのである。好業績の要因は、半導体供給不足の解消を受け米州を中心に自動車メーカーの生産が回復したことと、円安が大きいのである。
2025年3月期通期業績予想は、売上収益4,500億円(前期比1.9%増)、営業利益200億円(同14.2%増)、純利益120億円(同11.2%増)、1株当たり利益94.05円を予想しており、配当予想は前期比10円増配の83円(配当性向88.2%、)が見込まれているのである。配当は2011年3月期と2012年3月期が12円と同額であったが、2013年3月期17円に増配、これ以降、27円、30円、33円、35円、40円、42円、43円、45円、54円、63円、そして、2024年3月期73円と12期連続増配を達成しており、2025年3月期配当予想は83円で、13期連続増配の見込みなのである。ただ、配当性向88.2%が少々高すぎると危惧されるが 自己資本比率73.3%と高く、有利子負債無しなので、財務基盤は盤石なのである。とは言え、ROEは3.26%(前期1.8%)低い、つまり資本効率が低い(株主資本が多すぎる)という問題は別途存在するので、配当を厚くして株主資本が増えないようにしているのである。因みに、第15次中期経営計画および株主還元方針(第15次中期経営計画末である2026年3月期DOE(株主資本配当率)3.5%以上を目指し安定増配)が定められており、2024年3月期のDOEは3.0%であるから、今後2年間増配は確実なのである。