11月19日、Oneリート投資法人(3290)から2021年8月期の分配金と第16期資産運用報告が届いたのである。Oneリート投資法人は、東京のほか政令指定都市のオフィスに投資するいわゆるオフィス主体型のリートで、そのスポンサーは投資法人の名称からも分かるように、みずほフィナンシャルグループのみずほ信託銀行なのである。歴史的には、不動産ファンド運営等を行うシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(SIA)をスポンサーとするSIA不動産投資法人としてスタートし、2013年10月に上場したのである。当時はオフィスと商業施設に投資する複合型リートだったのであるが、SIAがみずほ信託銀行の傘下となったため、2015年12月に同銀行がスポンサーとなり、2017年6月に現在の名称に変更され、2021年3月に最後の商業施設を売却し、前期(第16期)からはオフィスに100%投資するリートとなったのである。
2017年に投資口を2分割したので2017年8月期(第8期)からの分配金実績を確認すると、資産売却益があるので多少ブレはあるが、5,948円、8,027円、6,955円、6,999円、7,062円、7,889円、7,994円、7,605円、そして2021年8月期7,546円、今期以降予想分配金は7,190円、7,120円と安定しているのである。ご主人は、上場間もない2013年に405,200円(投資口が2分割されたので現在は202,600円)で購入したので、過去1年の分配金の投資額に対する分配金利回りが実に7.48%、今後1年の分配金(予想)は売却益剥落のため低下するが14,310円で分配金利回りは7.06%と高いのである。しかし、オフィスと言えば、コロナ禍によりテレワークが普及し始めたので、オフィスの空き室率の上昇、オフィス賃料の下落がニュースになるようになったのである。Oneリートの稼働率は2021年8月末現在99.2%と高いが、今後1年間は98%前後で推移し、しかもフリーレントを除いた実質の稼働率が95%程度と、決して楽観はできないのである。