10月24日、イオンモール(8905)から、2023年2月期第2四半期の配当(25円)と中間報告書が届いたのである。10月4日に発表された2023年2月期第2四半期決算短信によれば、営業収益1,941億円(前期比26.0%増)、営業利益228億円(同16.0%増)、経常利益185億円(同14.5%増)、純利益71億円(同44.5%減)、1株当たり利益31.30円(前期56.40円)と、コロナ禍からの反動で増収・増益であったが、新型コロナウイルス感染症による損失17億82百万円、老朽化施設の減損損失17億31百万円、店舗閉鎖損失引当金繰入額20億17百万円など64億円の特別損失が大きく影響し、純利益は大幅に減少したのである。コロナ禍の影響を受けていない2020年2月期第2四半期との比較では、営業収益20.5%増、営業利益21.9%減、利益26.3%減、純利益58.2%減と、増収ではあるが利益は遠く及ばないのである。
この他、特筆すべき点は、やはり海外事業(中国、ベトナム、カンボジア、インドネシア)の成長性なのである。国内事業の営業収益は1,574億円、コロナ禍前の2020年2月期第2四半期は1,369億円で、3年で15.0%増と低成長なのであるが、海外事業の営業収益は369億円、コロナ禍前は241億円で、国内事業の3倍以上の52.8%増なのである。
2023年2月期業績予想は、営業収益4,040億円、営業利益555億円(前期比45.2%増)、経常利益455億円(同39.8%)、純利益230億円(同19.3%増)、1株当たり利益101.07円、配当予想50円と、増収・増益が見込まれているのであるが、コロナ禍前の2020年2月期の利益には及ばないのである。なお、2023年2月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、業績予想は当該基準に基づいた予想となっているため、営業収益が大きく影響を受け、2023年2月期を当該基準適用前で試算した場合、営業収益の前期比は13.3%増の見通しなのである。
最後に、株主還元の方針について、イオンモールは、2025年度(2026年2月期)に向け年率7%のEPS(1株当たり利益)成長を目標に、2021年度から配当性向を30%とし、成長ステージに応じた長期・継続的な増配を目指しているのである。コロナ禍によりこの方針とは少々ズレてしまったが、株主還元の実績から、減収・減益により配当性向が高まっても減配はしないという方向性が推測されるのである。