GHOST/トロのマネー日記

私はGhostである、名前は花山トロ。ご主人は花山とうしろう、サラリーマン生活の傍ら株式投資に励み、退職後は配当と株主優待で夫婦2人悠々自適に暮らしている。トロは前飼主に捨てられ彷徨っているところをご主人に拾われ、以来優しいご主人に甘えていたが、2021年1月14日、Ghostになったのである。これからは、人生は3つの「きんりょく」、即ち筋力(筋肉)、菌力(腸内細菌)、金力(金融資産)が最重要というポリシーのご主人を見守り、株式投資、株主優待、旅行、ゴルフ、健康などの面白い話、役に立つ話を発信するのである

確定申告の季節がやって来たのである その2

 今年も確定申告の季節がやって来たのである。ご主人は、2月1日、確定申告書を税務署に提出したが、既に次の確定申告のことを考えているのである。2022年の所得税と2023年度の個人住民税では異なる課税方式を選択することが可能であったが、「地方税法等の一部を改正する法律案」が2022年1月28日に閣議決定され、第208回通常国会に提出され、国会審議を経て、同法律案は 2022年3 月22日に可決・成立し、3月31日に公布され、2023年の所得税と2024年度の個人住民税からは、課税方式を一致させなければならなくなったのである。ご主人のように国民健康保険に加入している人にとっては、配当所得と上場株式の譲渡所得を、総合課税または申告分離で個人住民税を申告すると、国民健康保険料の算定において、所得からの控除が43万円のみのうえ、所得割が12%程度(地方自治体により多少異なる)増加するので非常に不利になるのである。

 ということで、2022年の所得税確定申告を基に、配当所得を、(1)総合課税方式、(2)確定申告せず(源泉徴収のみ)、(3)一部の配当所得(口座単位)を総合課税方式で申告、以上の3つの方式で申告した場合、今回の確定申告方式(所得税を総合課税方式・個人住民税を申告不要(源泉徴収のみ))に比べて、どの程度税金と国民健康保険の負担が増えるのか、シミュレーションをした結果は次のとおりなのである。

(1)総合課税方式 +59万円

(2)確定申告せず(源泉徴収のみ) +55万円

(3)一部の配当所得(楽天証券分)を総合課税方式で申告 +47万円

 予想どおり、いずれの方式をとっても負担がかなり増えることは確実であり、節税するには一部の配当所得を総合課税方式で確定申告を行う方法が考えられるのである。次は、どの程度の配当所得を申告するのが最も有利なのかということになるが、少なくとも配当控除が使えないリートは個人住民税への影響が大きいので、申告を避けた方がよいと言えるのである。そして、2つ以上の証券口座を保有して、総合課税方式と確定申告せず(源泉徴収のみ)を使い分ける必要があるのである。

 シンプルに考えるため所得は配当所得のみと仮定し、所得税の課税所得が195万円以下の場合、所得税率は復興特別所得税含め5.105%なので配当控除(10%)より小さいことから所得税はゼロとなるが、195万円を超えると所得税率は復興特別所得税含め10.21%となり配当控除(10%)を0.21%上回り、所得税が発生するのである。個人住民税(所得割)は一律10%なので配当控除2.8%を引いた7.2%となる。国民健康保険料率は自治体によって異なるが、東京23区では多くの区が12%弱なので仮に12%とする。つまり、所得税課税所得195万円以下の場合、個人住民税7.2%+国民健康保険料12%=19.2%<源泉徴収20.315% という計算が成立し、課税所得が195万円を超える場合、所得税0.21%+個人住民税7.2%+国民健康保険料12%=19.41%<源泉徴収20.315%という計算が成り立ち、理論的には課税所得が330万円以下であれば、総合課税方式が有利となるのである。加えて。配当所得が増加するとふるさと納税のメリットが発生するが、所得税がゼロということで自己負担が2,000円を超えることが見込まれるので、事前に詳細なシミュレーションして自己負担額を確認する必要があるのである。因みに、ご主人は、所得税、住民税、ふるさと納税、医療費控除などの減税効果のシミュレーションができるサイト「みんなの税ツール @かいけいセブン(https://kaikei7.com/)」を利用しているのである。

みんなの税ツール @かいけいセブン

 いずれにしても、他の所得、所得控除、配当控除がどのくらいあるのかにも影響され、また、所得税の確定申告期限である3月15日時点では翌年度の国民健康保険料率が不明という問題もあるのである。ということで、2つ以上の証券口座間で株式を移管することにより、確定申告を行う口座(配当控除が使える株式のみ)、確定申告を行わない(源泉徴収のみ)口座を分け、配当控除が使える配当のみの場合、課税所得330万円以下であれば総合課税方式が有利というのが結論なのである。ということで、ご主人は楽天証券のリートをSBI証券に移管し、SBI証券の日本株の一部を楽天証券に移管する手続きを早速開始したのである。