2月17日、アクティビア･プロパティーズ投資法人（3279）から第22期（2022年6月～2022年11月）の分配金（9,300円）と資産運用報告が届いたのである。アクティビア･プロパティーズ投資法人は、スポンサーが東急不動産ホールディングスグループということもあり、そのポートフォリオは3大都市圏、就中都心の商業施設とオフィスをメインにする総合型リートなのである。61の上場リートのうち、資産規模（1月31日現在）は5,567億円で10位、2月21日の投資口価格（終値）で時価総額は3,120億円で14位と比較的大規模なのである。
投資口が分割された2015年以降の分配金をみると、2016年17,687円、18,594円、19,046円、20,254円と順調に増加していたが、2020年19,155円、2021年18,761円、そして2022年は18,810円と低減傾向なのである。これはコロナ禍の影響による賃料減額、オフィス稼働率の低下傾向（2020年11月98.6％、2021年5月97.9％、11月96.7％、2022年5月97.0％、11月91.8％）による結果なのである。アフターコロナを見据え、第20期にホテルを核とした商業施設（東急プラザ赤坂）を売却し、収益性の高い都心オフィスビル4棟を取得したので、コロナ禍の影響低減、今後の復調が期待できると思ったのであるが、第22期には2つのビルで大口の退去により稼働率が91.8％と大きく下がるなど苦戦は続いているのである。これに対して、大口の退却後の早期稼働回復、商業施設のリニューアル、投資利回りの低い物件などの売却、立地優位性・建物競争力のある物件の取得（1月13日、1棟新規取得）、等々努力しているのである。
アクティビア・プロパティーズ投資法人の予想分配金は第23期9,350円、第24期9,300円、2月21日の投資口価格（終値）384,000円なので、今後1年間の予想分配金利回りは4.86％と半年前（2022年8月19日4.35％）より少し上昇し、61リートのうち16位（2022年8月19日、14位）、ＮＡＶ倍率（ＮＡＶ倍率とは、不動産を時価評価した純資産価値に対する投資口価格の割安度を表す指標、株式におけるＰＢＲ（株価純資産倍率）に似た指標。ＮＡＶ倍率が低い程割安と言える。）は0.84で10位（2022年8月19日、13位）と、どちらの指標からも少々人気薄で割安に評価されているのである。
因みに、ご主人は、株式市場がリーマンショックから徐々に回復しつつあるが、まだまだ低調だった2012年に、上場直後のアクティビア･プロパティーズ投資法人を購入し（その後投資口が1：2で分割されたので1口当たり248,400円）、今後1年間の予想分配金18,650円なので、予想投資利回りは7.51％と高い水準なのである。そして、タカラレーベン･インフラ投資法人が公開買い付けにより上場廃止となった今、ご主人のポートフォリオのなかで5月・11月が決算期なのは、アクティビア・プロパティーズ投資法人のみとなり稀少なのである。
