4月12日、サイゼリヤ(7581)から、2023年8月期第2四半期決算短信が発表されたのである。売上高838億円(前年同期比21.2%増)、営業利益904百万円(前年同期46百万円営業損失)、経常利益1,103百万円(前年同期比85.8%減)、純利益595百万円(同88.2%減)、1株当たり利益12.20円(前年同期103.10円)と、増収・減益なのである。国内事業は、コロナ禍による規制が徐々に解除され売上は増加したが、原材料費・光熱費の上昇により利益は減少、さらに新型コロナ対策の補助金の減少もあり、前年同期の営業赤字27億円から減少しているとはいえ16億円の営業赤字と依然苦戦しているのである。これを、豪州の1億円の営業黒字、アジア地域の23億円の営業黒字が補っているのである。
同日、2023年8月期通期業績予想の修正も発表され、売上高1,700億円⇒1,772億円(前期比22.8%増)、営業利益75億円⇒61億円(同1342.1%増)、経常利益73億円⇒61億円(同43.4%減)、純利益44億円⇒42億円(同25.8%減)、1株当たり利益90.09円⇒86.00円と、増収・減益となっているが、配当予想18円は変更が無いのである。利益の下方修正の理由について、資源価格の高騰や円安による食材価格の上昇による粗利益率の低下を挙げているのである。記者会見した松谷社長は「値上げはしない」と強調したそうであるが、お客としては喜ばしいものの、株主としては値上げをしないということは客が増え売上は増えるが利益率は低下、営業赤字が解消できるか心配になってしまうのである。翌13日の株価(始値)前日比140円安(-4.33%)の3,090円とで始まり、終値は前日比65円高の3,295円、14日は3,180円と下落したところは、松谷社長の「値上げはしない」宣言の評価が割れているのかもしれない。