1月31日14時、東京鐵鋼(5445)から好調な2024年3月期第3四半期決算短信が発表されたのである。売上高585億円(前年同期比1.9%減)、営業利益73億円(同162.1%増)、経常利益79億円(同149.1%増)、純利益54億円(同129.4%増)、1株当たり利益606.47円(前年同期261.45円)と、減収・大増益なのである。減収の主な要因は、建築現場における工事遅延等により製品出荷量が減少したこと、大増益の主な要因は、製造コストの削減効果に加え、製品価格と原材料価格の差である値差が改善したことなどが挙げられるのである。
このような大増益を受け、同時に2024年3月期の「通期業績予想の修正および配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」が発表されたのである。売上高770億円⇒780億円(前期比1.6%減)、営業利益85億円⇒100億円(同129.6%増)、経常利益85億円⇒100億円(同102.2%増)、純利益57億円⇒68億円(同85.9%増)、1株当たり利益636.57円⇒761.70円(前期405.28円)、と、いずれも上方修正されたのである。この修正の理由について、東京鐵鋼は、「通期の売上高については、製品出荷量が予測を上回る見込みであること、損益については、製造コストの削減効果に加え、主原料である鉄スクラップの価格が予想を下回ることが想定されるなどから、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益で予想数値を引き上げております。」と説明しているのである。
なお、第2四半期の大増益を受け、中間配当は配当予想30円のところ50円に増配(前中間期10円)しており、さらに今回の通期業績予想の上方修正に伴い期末の配当予想は150円⇒180円となり、通期の配当予想も200円⇒230円(前期110円)と大幅に上方修正されたのである。増配理由について、東京鐵鋼は、「利益配分につきましては、市況変動等に耐えうる財務体質の確保ならびに主力事業の継続等に必要な投資を勘案しながら、業績に裏付けられた成果の配分を安定的に行うことを基本方針としております。2024年3月期の配当予測については、1株当たり年間200円(うち、中間配当金50円)としておりましたが、上記の業績予想の修正に加え、現在の財務状況や株主還元状況等を総合的に勘案した結果、直近予測から1株当たり30円増配の230円に修正することといたしました。」と説明しているのである。
因みに、東京鐵鋼の株価は14時の発表前は4,600円前後で推移していたが、直後に急騰し、終値は前日比705円高(+15.65%)の5,205円と、増益・増配が大きく評価されたのである。