2月9日、白銅(7637)から、2024年3月期第3四半期決算短信が発表されたのである。売上高429億円(前年同期比9.4%減)、営業利益1,885百万円(同40.4%減)、経常利益2,201百万円(同34.7%減)、純利益1,512百万円(同33.9%減)、1株当たり利益133.33円(前年同期201.82円)と、減収・減益なのである。苦戦の要因は、半導体業界の停滞による半導体製造装置業界向けの主力商品であるアルミニウムの売上減少、運賃や電気料金をはじめとする各種コストの上昇などが挙げられるのである。
このような低調な業績を受け、同日、2024年3月期通期業績予想の下方修正が発表されたのである。売上高632億円⇒564億円(前期比8.4%減)、営業利益29.7億円⇒23.2億円(同38.6%減)、経常利益31.8億円⇒26.2億円(同34.3%減)、純利益21.5億円⇒17.6億円(同35.7%減)、1株当たり利益189.56円⇒155.18円(前期241.37円)と、いずれも下方修正されたのである。修正の理由について、白銅は、「半導体メーカーの生産調整、在庫調整局面が続いていることから当社グループ業績に影響が大きい半導体製造装置業界におきましても需要の低迷が継続しており回復が想定よりも遅れていること、また連結子会社である上海白銅精密材料有限公司およびWest Coast Aluminum & Stainless, LLCにおきましても中国ならびに米国国内の需要の回復が遅延していることから売上高、利益が想定を下回る見通しとなりました。」と説明しているのである。
さらに、白銅から、配当方針の変更および期末配当予想の修正(増配)も発表されたのである。配当方針は、株主還元強化のため、2024年3月期から、従来の「配当については配当性向40%以上を目安としております」から「原則、通期の配当性向45%または年間配当1株当たり80円のいずれか高い方を配当することとしております」に変更となるのである。この配当方針の変更に伴い、2024年3月期は年間最低配当額80円を適用し、期末配当予想は2円増配し45円、中間期の35円と合わせて年間配当予想80円(配当性向51.6%)となるのである。白銅は、自己資本比率53.6%(2023年9月)と高めの上、有利子負債ゼロと財務基盤は安定していること、配当性向51.6%ということで、減収・減益でもまだまだ余裕なのである。