7月12日、サイゼリヤ(7581)から、2023年8月期第3四半期決算短信が発表されたのである。売上高1,321億円(前年同期比23.1%増)、営業利益35億円(同236.3%増)と大幅な増収・増益であるが、休業時短協力金が86億円から1.5億円に減少したことから経常利益39億円(同60.6%減)、純利益26億円(同59.6%減)、1株当たり利益54.43円(前年同期134.69円)と減益となっているのである。地域別に見ると、国内事業は売上高874億53百万円(前年同期比18.6%増)、営業損失15億77百万円(前年同期は21億77百万円の営業損失)と、増収であるものの依然として営業赤字となっており、アジア地域の49億円の営業利益と円安が大きく貢献しているのである。国内事業が苦戦している要因は、やはり原材料価格の高騰であるが、松谷社長は相変わらず値上げをしないと宣言しており、唯一無料であった粉チーズが100円に値上げされるだけなのである。
2023年8月期通期業績予想は、売上高1,772億円(前期比22.8%増)、営業利益61億円(同1342.1%増)、経常利益61億円(同43.4%減)、純利益42億円(同25.8%減)、1株当たり利益86.00円、配当予想18円(配当性向20.9%)が見込まれているのである。
翌13日の株価は、ザラ場で前日比560円高(+15.56%)の4,160円と年初来高値更新、終値は前日比535円高(+14.86%)の4,135円と大きく上昇し、値上り率は全市場通じて5位、東証プライム市場1位なのである。値上げをしない国内事業は相変わらず苦戦しているものの、アジア事業の好調さが評価されたのかもしれないのである。