7月10日、投資法人みらい(3476)から、第14期(2022年11月~2023年4月)の分配金(1,305円)と資産運用報告が届いたのである。投資法人みらいは、三井物産アセットマネジメント・ホールディングス株式会社と不動産投資会社イデラキャピタルをスポンサーに、3大都市圏に所在するオフィス、商業施設、ホテル、物流施設に投資するいわゆる総合型のリートで、目新しいところでは教育施設(東京衛生学園専門学校)へも投資をしているのである。そして、第14期、初の居住施設(学生向け賃貸マンション)へも投資をしているのである。
資産規模は、第14期に2物件を譲渡し、3物件を新たに取得して1,662億円となり、全60リート中44位、7月20日の終値で時価総額は823億円で48位と規模の小さいリートなのである。NAV倍率(NAV倍率とは不動産を時価評価した純資産価値に対する投資口価格の割安度を表す指標。株式におけるPBR(株価純資産倍率)に似た指標。NAV倍率が低い程割安。)は、0.89で14位(2023年1月23日15位)とあまり評価されていないのである。
リートの特長の一つが分配金であるが、投資法人みらいの分配金は、投資口が4分割された第7期(2019年5月~10月)が1,563円、以降1,561円、1,429円、1,238円、1,289円、1,267円、1,313円、第14期1,305円、次期以降の予想分配金は1,150円、1,150円なのである。第9期(2020年5月~10月)から少々低調に推移しているは、コロナ禍ではホテル(組入比率15.6%)、商業施設(同20.9%)が大きな影響を受け、そして、アフターコロナでは、供給の増加とテレワークの増加からオフィス(同52.8%)が低調なのである。投資法人みらいの7月20日投資口価格終値は46,500円、今後1年間の予想分配金は計2,300円なので、予想分配金利回りは4.95%、全60リートのうち第11位とあまり評価されていないのは、供給過剰感が出てきたオフィスが足を引っ張るのではないかという懸念かもしれないのである。
これに対して、投資法人みらいは、第14期に初の居住施設への投資、しかも手堅い大学生向けの賃貸マンションへの投資は、低調なオフィスを補うためなのか、投資法人みらいがオフィスメインの総合型リートから八方美人の総合型リートとなっていくのかもしれないのである。
最後に、投資法人みらいの投資主優待制度(有効期限は2024年6月30日まで)は、保有しているホテルのオペレーターの協力を得て、コートホテル・EN HOTEL、ホテルウィングインターナショナルを割引料金で宿泊できるのである。公式サイトからネット予約ができ、コートホテル・EN HOTEL公式サイト料金の10%引き、ホテルウィングインターナショナルは公式サイト料金の12%引きとなるのである。