10月30日14時、キーコーヒー(2594)から、好調な2024年3月期第2四半期決算短信が発表されたのである。売上高374億80百万円(前年同期比23.7%増)、営業利益10億41百万円(同102.5%増)、経常利益11億21百万円(同80.0%増)、純利益7億86百万円(同71.8%増)、1株当たり利益36.72円(前期21.34円)と、増収・大増益なのである。好業績を受け、中間配当は配当予想5円のところ7円に増配(前中間期5円)となったのである。
このような好業績を受け、「2024年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」が発表されたのである。売上高750億円⇒変わらず(前期比18.5%増)、営業利益7億円⇒10億円(同308.6%増)、経常利益7億円⇒11億円(同214.9%増)、純利益5億円⇒8億円(同362.3%増)、1株当たり利益23.35円⇒37.36円(前期8.08円)、配当予想10円⇒12円と、利益面はいずれも上方修正されたのである。この修正の理由について、キーコーヒーは「当第2四半期連結累計期間は、円安傾向の継続およびエネルギー価格や資材費の上昇により、コーヒー製造コストが高止まりしており、依然として先行き不透明な状況が続いております。一方、新型コロナウイルス感染症の分類変更による人流の活発化、訪日客の増加などにより、各市場にて業績が回復傾向となっております。このような状況の下、現時点の実績を踏まえ通期の業績予想を見直した結果、利益につきまして、2023年5月15日に公表しました通期の業績予想を修正いたします。」と説明しているのである。
しかし、今ひとつよく分からないので、子細に損益計算書、定性的情報などを見ると、売上原価は上昇したものの、売上高の増加と販管費の抑制で増益を確保できたということのようである。また、第2四半期までの進捗率で見ると、営業利益104.1%、経常利益101.9%、純利益98.3%と、いずれも高いにもかかわらず非常に保守的な上方修正となっており、第3・4半期にも上方修正の可能性が高いと思われるのである。ただ、そんな中でも残念なのは、縮小したとはいえ飲食事業の営業赤字(営業損失15百万円)が相変わらず足を引っ張っている点なのである。
因みに、キーコーヒーの株価は、14時の発表前は2,010円程度で推移していたが、この日の日経平均株価-0.95%、TOPIX-1.04%と地合の悪いこともあり、発表直後前日比18円高(+0.89%)の2,038円と値上りしたものの、終値は前日比7円高(+0.35%)の2,027円とあまり上昇しなかったのである。